近視治療 ICLとは

近視とは

   近視とは眼の前後の長さ(眼軸長)が長いため、網膜の手前にピントが合う状態です。

  • 正視

    眼に入った光が角膜と水晶体で曲げられ網膜にピントが合う。遠近とも裸眼で見える理想的な状態。

  • 近視

    眼の前後の長さ(眼軸長)が長いため、網膜の手前にピントが合う。

  • 近視の矯正

    凹レンズの眼鏡やコンタクトレンズで網膜にピントが合う状態にすることが一般的。

ICLとは?

ICLとは

   ICLとは小さなレンズを眼の中に移植し近視や乱視を治療する裸眼視力矯正手術のことです。

 
 
眼鏡、コンタクトレンズ、ICLの比較
                           
眼鏡、コンタクトレンズ、ICLの比較

眼鏡
(メリット) ・比較的低額(高額なものは高額)
       ・安全性が高い
(デメリット)・顔の印象が変わる
       ・視野が限られる(フレームの外は見えにくい)
       ・近視が強いと物が小さく見える
       ・曇る
       ・お風呂で不便
       ・スポーツの種類によっては不向き
コンタクトレンズ
(メリット) ・顔の印象が変わらない
(デメリット)・異物感や不快感、危険性が高い(詳しくは、下記コラム)
       ・取り扱い、ケアが面倒
       ・長期的に使用するなら最も高額(詳しくは→
ICL手術
(メリット) ・顔の印象が変わらない
       ・日常のケアは不要
       ・長期にコンタクトレンズを使用するより低額(詳しくは→
       ・コンタクトレンズに伴う危険性や合併症から解放される(詳しくは、下記コラム)
(デメリット)・一時的に高額な出費が必要
       ・暗いところで明るい光をみると輪が見えたり乱反射して見える(詳しくは→
       ・危険性はゼロではない。 医療機関の選択が大切(詳しくは→



コラム コンタクトレンズの危険性
(コンタクトレンズ眼障害 放置すると失明の可能性も 日本眼科医会 平成16年9月16日より引用)


コラム コンタクトレンズの危険性
 

ホールICL

2014年にICLの中央に0.36mmの穴を開けた、ホールICLが厚生労働省より認可されました。 このホールICLは従来のICLより眼の中の水の流れをよくする効果があり、術後の眼圧の上昇や白内障のリスクが改善されました。 当院では全例でホールICLを使用しています。

眼内コンタクトレンズ治療

ICLの特徴 メリット、デメリット

国内外での使用実績

2022年までに、全世界で200万眼以上の手術が行われています。

     
ICLレンズ出荷枚数推移のグラフ
日帰り手術が可能

ICL手術の所要時間は、片眼で約5分、消毒などの準備を合わせても両眼20分程度。レンズはとても柔らかい素材でできており、細長く折りたたんだ状態で眼内に挿入します。 レンズ挿入のための切開創は3mmと小さく、両眼を同日に手術でき、視力は1日~1週間ほどで回復します。

長期的な安定性と安全性

ICLのレンズ素材は、HEMA(水酸化エチルメタクリレート)とコラーゲンを共重合させたコラマーと呼ばれる素材から作られています。生体適合性が高く、目の中にいれても異物として認識されにくい大変優れた素材です。特別なメンテナンスをする必要はなく、目の中で長期間にわたって透明な状態を維持し、長くレンズとしての機能を果たします。眼内で10年以上経過しても全く劣化したり混濁しないことが証明されています(Nakamura et al., Am Ophthalmol. 2020) 。

タンパク質沈着テストを行ったレンズ素材表面の電子顕微鏡写真(1000倍)

左がICLで用いられるコラマー素材、右が白内障手術で用いる眼内レンズのアクリル素材。 ICLのコラマー素材はタンパク質の吸着の少ない安定した素材です。

ICLのメリット

① クリアな見え方

レーシックのように角膜を削ることなく、眼内のレンズで近視を治すため、術後の見え方を左右する収差が増えません。 そのため、ICL手術はクリアでコントラストの良い、見え方の質にこだわった近視の手術です。

② 長期に安定した視力

レーシックを受けた方の場合、一般に「近視の戻り」と言って、術後数年間で視力が少し近視気味に戻ってしまう傾向のあることが知られています。またこの「近視の戻り」の傾向は、特に強度近視の方ほど顕著にみられます。ICL手術では「近視の戻り」はなく、長期的に安定していると報告されています(Igarashi A. Expert Review of Ophthalmology, 2019)。

③ 手術後でもICLを取り出すことが可能

ICLのレンズは交換する必要はなくそのままずっと目の中に入れておくことが可能で、コンタクトレンズのような日々の手入れも不要です。万が一、術後に問題が生じた場合や、どうしても術後の見え方が気に入らない場合は、レンズを取り出して元の状態に戻すことができます。これは角膜を削るレーシックとは大きく異なるメリットです。

④ 安心の認定医制度

資格が不要なレーシックと違い、ICL手術は認定をうけた眼科医のみが行える手術です。 認定医になるには、ICL認定講習を受講し、インストラクターの立会いのもとで手術を行い、一定レベル以上の技量があると認められる必要があります。古賀貴久院長は九州、中国、四国で唯一のエキスパートインストラクターです

⑤ 強度近視や角膜の薄い方も治療可能

角膜を削るレーシックでは、矯正できる度数に限界があります。ICLでは幅広い度数のレンズが用意されており、最強度の近視でも矯正することが可能です。角膜を削らないため、レーシックできない角膜の薄い方も手術できます。

⑥ ドライアイになりにくい

角膜を広範に切開するレーシックでは角膜の知覚神経が切断され涙の分泌が減りドライアイになることがあります。ICL手術は非常に小さな角膜切開で行うため、涙の分泌には影響しません。 (涙の分泌が増えてドライアイが治ることはありません)

⑦ 30年以上の歴史

ICLは新しい手術というイメージがありますが、1993年にイタリアで世界最初の手術が行われ、1997年に日本で初めての手術が行われ、30年以上の長い歴史があります。
 初期のICLは術後に白内障や緑内障が起こる可能性がありましたが、ホールICLが開発されこれらの合併症が改善され、最も有効性、安全性に優れた屈折矯正視力として認識されるようになりました。

ICLのデメリット

① 費用

レンズ自体が高額なため、手術費用も高額になります。

② ICL手術を出来る施設が限られている

ICL手術は認定医のみが行える手術のため、執刀できる医師が限られます。古賀貴久院長は九州、中国、四国で唯一のエキスパートインストラクターに認定されています。

③手術までに時間がかかることがある

ICLはその人その人にあった度数のレンズを用います。レンズを注文してから届くまでに2~4週間程度かかります。ICLを検討されている方は早めに適応検査を受けることをおすすめします。

  
   
レーシックとICLのメリット・デメリット
  

眼科こがクリニックのICL手術が
選ばれる理由

九州全県からすでにICL手術を目的にご来院いただいています

九州地図
  • 1. 九州、中国、四国地方で唯一のエキスパートインストラクターによる
     確かな手術

      ICL手術は資格が不要なレーシックとは異なり、安全かつ安心に手術が普及できるように、認定医(ラインセンス)制度があり、認定医のみが手術を行うことができます。300名以上いる認定医は3段階に分けられ、最上位に位置するエキスパートインストラクターは、日本全体でも14人のみです。九州、中国、四国地方では古賀貴久院長ただ1人です(2024年3月時点)。

    エキスパートインストラクター

    ICLの認定医の区分
    ・エキスパートインストラクター

      日本全国の眼科医に対しICL手術を教育・
    指導し、ICLの認定医を決める最終決定権を
    持つ。また、認定制度の規定にも携わる。
    ・インストラクター
      自身が勤務している医療機関内で、指導
    や認定医を決める権限を持つ。
    ・認定医
      ICL手術をすることが認められた眼科医

    エキスパートインストラクターの分布

    エキスパートインストラクターの分布
     古賀貴久院長は、九州、中国、四国に唯一
    のエキスパートインストラクターとして、IC
    L手術を志す後進の教育、指導にも尽力して
    います。  

    ICL認定医の認定証ICL認定医の認定証
    ICLインストラクターの認定証 ICLインストラクターの認定証
    ICLエキスパートインストラクターの認定証ICLエキスパートインストラクターの認定証
  • 2. 副院長と職員6名がICL手術を受けています

     当院では既に副院長と6名の職員がICL手術を受けています。実際に手術を受けた人に聞きたい質問、疑問に何でもお答えしますので、気軽に相談ください。

    副院長と職員7名がICL手術を受けています
    副院長と職員7名がICL手術を受けています
  • 3.安心の3年間の長期保証

     追加手術は術後3年間は無料です。(度数変更のレンズ交換手術は片眼につき1回まで無料です)
    将来、白内障が起こった時や他の目の病気が起きた場合のICL摘出手術は3年以上経っていてもずっと無料です。

  • 4. 当院は地域に根差した眼科クリニックで眼科の全領域に対応しています

     かつて全国にチェーン展開していたレーシックセンターでは、あまり眼科の知識がない医師がレーシック手術を執刀し、なにか目のトラブルがあっても対応が出来ずに、「レーシック難民」という言葉も生まれました。さらに、これらのレーシックセンターは経営破綻した施設も多く、術後のケアが受けられないという問題も生じました。
     当院は地域に根差した眼科クリニックで、眼科経験の豊富な3名の眼科専門医が眼科の全領域に対応しています。当院で行っていない専門的な眼科治療が必要な場合は適切な医療機関を紹介することもできます。

  • 5. 徹底した術前検査

     ICL手術の成功のカギは術前検査で目の状態を正確に調べることです。初診時の適応検査で屈折検査(機械で近視、乱視の度数を調べる検査)、視力検査、眼圧検査、乱視の検査、散瞳薬を点眼した状態での屈折検査、緑内障や網膜剥離の兆候がないかを調べる眼底検査など様々な検査を行います。
    2回目の来院で屈折検査の再検査とICL度数を決める詳しい検査を行います。その結果、初診時の①屈折検査、②視力検査、③散瞳した状態での屈折検査、2回目の来院時の④屈折検査、⑤詳しい視力検査の5つのデータを見比べてICLの度数を決定します。もしも、これらの5つのデータが不安定な場合はもう一度来院して再検査することもあります。
    ICL手術は短時間で終わる手術ですが、術後の見え方はその後の長い人生を大きく左右します。多少手間がかかっても、日を変えて複数回の検査を行うことが精度の高い手術に不可欠です。信頼できる医療機関を慎重に選ばれることをおすすめします。

    屈折検査屈折検査
    視力検査視力検査
  • 6. 万全の感染対策

     手術室の清潔度は1㎡中の微粒子数で表されます。眼科手術室ではクラス10,000程度が必要とされてます。当院は高性能のHEPAフィルターを導入し、基準より約10倍清潔なクラス1,000の手術室で手術を行っています。

    万全の感染対策
    万全の感染対策

ICL手術の適応(向いている人、向かない人)

ICL手術の適応(向いている人)

  • ●21歳から45歳くらいまでの近視の人
     45歳以上ではICL手術を受けても近くを見る時は老眼鏡が必要になります
    (裸眼で見えている同年代の人と同じ状態になります)
     老眼鏡の必要性を理解できている人には45~55歳でも手術することもあります

ICL手術の非適応(向かない人)

  • ●21歳未満

  • ●妊婦(妊娠後期には近視の度数が不安定になります)

  • ●術前1年以内に近視が進行した方

  • ●角膜から水晶体までの距離が短い方(検査をして判断します)

  • ●円錐角膜の方(角膜の形の異常で検査をして判断します、初期の場合は手術できることもあります)

  • ●角膜内皮細胞障害のある方(角膜内皮細胞の写真を撮って判断します)

手術の方法、治療の流れ

 
手術の方法
1 点眼麻酔をして、角膜を 約3mm切開します。
2 切開した部分からICLを 目の中に挿入します。
3 虹彩と水晶体の間にICLを インプラントします。

レンズは虹彩の下にインプラントされますので、肉眼では見えません。



低濃度笑気麻酔

 リラックス効果と痛みを和らげる効果のある低濃度笑気麻酔を導入しました。歯科ではお子様の治療などで以前から使用されている方法です。手術前~手術中に、マスクの脇から酸素と笑気を混合した気体を流します。笑気ガスを止めると、すぐに麻酔効果はなくなり歩いて手術室から退出できます。ICL手術を受けるほとんどの方が希望されています。

    
手術前の笑気麻酔
        
手術中の笑気麻酔

         手術前                     手術中

眼内コンタクトレンズ治療
 
治療の流れ
 


インターネット予約または電話予約

完全予約制ですので、スマートフォン・PCからのインターネット予約(おすすめ)または、お電話で予約を入れてください。

予約はこちら
1回目の来院、適応検査(無料です)

ICL手術が可能か診断します。
コンタクトは装用したまま来院して大丈夫です。検査前にご自身で外していただきます。

※散瞳薬をつかっての検査があります。まぶしさが強く見えづらくなるため、検査後すぐにはお車やバイクの運転ができません。(1~3時間ぐらいで元の見え方に戻ります)
送迎または公共交通機関を使ってのご来院をお勧めします。
やむを得ずご自身の運転でご来院の方は検査後数時間休んでご帰宅ください。
    

適応検査後に希望される方には術前検査の予約をします。
迷われる方はご自宅で考えて希望される場合はインターネットで術前検査の予約ができます。

2回目の来院、術前検査、術前説明

【 検査予約前に必ずご確認ください 】
※コンタクトレンズ使用中の方:検査前に装用中止期間が必要です
  ハードコンタクトレンズ →検査日2週間前から中止
  ソフト コンタクトレンズ →検査日当日朝から中止
 
適応検査のデータを参考に、屈折検査(近視、遠視、乱視の度数を調べる検査)と視力検査を再度行い、ICL度数を決定します。日を変えて複数回の検査を行い、データのばらつきがないことを確認することがICL手術の精度を上げるカギだと言われています。
その後、手術内容について時間をかけて詳しく説明します。

手術当日

●指定の時間にご来院下さい。
※手術後は保護眼鏡をします。車の運転をして
帰宅することは出来ませんのでご注意ください。

●散瞳剤の目薬など手術の準備をします。
(40分~60分くらいかかります)

●手術時間は両眼で20分程度です。

     

●術後15分くらい安静に過ごしていただいた後に
眼圧を確認し、帰宅になります。

術後の診察

翌日、1週間後、1か月後、3か月後の定期検診に
なります。

 

ICL手術の費用

乱視なしの場合
片眼
両眼
33万円(税込)
66万円(税込)
乱視ありの場合
片眼
両眼
36万円(税込)
72万円(税込)

※術後3年間のICL手術に対する診察費用・薬剤費用をすべて含んでいます。
※ICL手術とは関係ない目の病気の診察費用・薬剤費用は健康保険の適応となります。
※保証期間3年間
 ・手術後3年以内の追加手術(度数変更の入れ換え手術は片眼につき1回まで)は無料です。
 ・手術後3年以降のレンズの入れ替え手術は通常費用です。
 ・レンズを取り出す手術はいつでも無料です。


【 ICL手術費用のお支払い方法 】

 ◆銀行振込
 ◆クレジットカード
使用カード一覧  ◆メディカルクレジット 

日専連の医療ローンで最大60回までの分割払いが可能です(ボーナス併用払いも出来ます)
メディカルクレジットに関するお問い合わせ専用電話 ☎096-324-4792
分割払いシュミレーションもご利用ください
(日専連ファイナンスのページが開きます)
日専連HP二次元バーコード

※手術費用の一部を一括払い、残りを分割払いにするというお支払い方法も可能です。ご相談下さい。

ICLとコンタクトレンズの費用比較

コンタクトレンズ(ワンデイタイプ)を使用する場合、費用は両眼1ヶ月で6千円程度、10年間で約72万円になります。またその他にも診察や検査の費用などがかかります。

ICL(眼内コンタクトレンズ) は、基本的に手術は1回で済み、毎日のケアも不要なことからも、コンタクトレンズに比べメリットの多い治療です。

ICLとコンタクトレンズの費用比較


ICL、IPCL、Eyecrylについて


ICL(STAAR社、米国)

 ICLは1993年に最初の手術が行われ、既に30年の歴史があり、全世界で200万眼以上の実績があります。ソフトコンタクトレンズで使用されているHEMAとコラーゲンを重合した「コラマー」という素材で作られ、術後10年以上経ってもレンズが濁ったり劣化しないことが証明されています。有水晶体眼内レンズ手術を受けた当院の職員すべて、このレンズで手術を受けています。


IPCL(EyeOL社、イギリス)

 2014年に発売開始され全世界で10万眼以上の実績があり、「ハイブリット親水性アクリル」という新素材で作られています。日本では認可されていないので個人輸入して使用します。手術後の見え方はICLと遜色ないことが報告されています。しかし、長期的な安定性のデータが少ないため、当院では積極的には使用していません。ICLで度数やサイズがない人のみ案内しています。


Eyecryl(WEYEZER社:スイス)

 「ハイブリット親水性アクリル」という新素材で作られています。レンズの光学径が5mmと小さいため、他のレンズよりも、ハロー・グレアが発生する可能性が高いため、当院では導入していません。




術後の視力は?

 ICL手術は眼鏡やコンタクトレンズの度数と同程度の度数のレンズを目の中に移植して近視を矯正する手術です。そのため、今までの眼鏡やコンタクトレンズを使用した視力に近い裸眼視力まで回復することが出来ます。

当院でのICL手術の裸眼視力の変化

ICL手術の合併症(危険性)

異物感、充血、かすみ

傷口が治癒し、炎症が治まることで、時間とともに改善します。

視力の変動

術後1週間ほどは、炎症などで視力が変動することがあります。

グレア・ハロー

夜間など暗い中で光を見た時に、光がにじんでみえたり、まぶしさを感じる場合があります。 2~3か月で徐々に気にならなくなります。

感染症(術後眼内炎)

術後眼内炎:傷口から細菌が侵入し失明する可能性もある最も怖い合併症です。ICL手術での発生頻度は6000件に1件(0.017%)と眼科手術の中でも非常に低い頻度で、適切な治療によって全例で視力低下はなかったと報告されています。当院で発生したことはありません。

レンズ回転

乱視用のレンズでは術後にレンズが回転して見えにくくなることがあります。その際はレンズの位置調整の追加手術を行います。

40歳以上のICL

老眼とは

人間は目の中でレンズの役割をする水晶体を厚くしたり薄くしたりして、遠くや近くにピントを合わせています。若い頃の水晶体の機能は素晴らしく、自分の見たい距離に無意識のうちにオートフォーカスでピントが合います。近視や遠視、乱視等の屈折異常のある方でも、眼鏡やコンタクトレンズを装用すれば無意識のうちに見たい距離にピントが合います。

個人差がありますが、40歳頃から徐々に水晶体が厚くなったり薄くなったりすることが出来なくなりオートフォーカス機能がなくなり徐々に近くが見えにくくなってきます。この加齢現象を老眼(老視)と言います。

ICLと老眼

ICLは1カ所にピントが合う単焦点のレンズです。そのため、老眼年齢になると老眼の症状が起こります。

老眼年齢の方のICL手術の方法

  • ①両眼とも遠方に合わせる

    最も一般的な方法で、近くが見えにくく感じる場合は老眼鏡を使用するという方法です。同年代の目のよい人(裸眼視力のよい人)と同じ状態になります。

  • ②両眼とも遠方を少し弱めに合わせる

    老眼が出始めたら眼鏡やコンタクトレンズの度数を少し弱くして、眼鏡なしで遠近ともある程度見えることを希望される方がいます。そのように、0.7~0.9程度の遠方裸眼視力になることを目標に少し弱い度数のICLを使用します。この方法では運転する時は薄い眼鏡を使用した方がより安全だと思います。また、50歳以上になりさらに老眼が進行すると、最終的には老眼鏡が必要になることが多いです。

  • ③片目を遠方に片目を近方に合わせる

    この方法では多くの方が眼鏡なしで生活されます。しかし、左右の見え方が違うため違和感を持つ方もいます。特に小さなことが気になる神経質な方には不向きです。見え方に左右差があると遠近感や距離感が分かりにくくなるとも言われています。また、斜視の傾向のある方はICL術後に斜視が出てくることがあります(この方法を希望される場合は斜視の傾向があるかどうか検査します)。

  • ④遠近両用の有水晶体眼内レンズ:IPCLプラス

    IPCLは2014年に発売開始され全世界で10万眼以上の実績があり、「ハイブリット親水性アクリル」という新素材で作られています。日本では認可されていないので個人輸入して使用します。IPCLは長期の安定性に対するデータが少ないので、当院では積極的には勧めていません。
    IPCLは多焦点構造のものもあり、遠方に50%、近方に30%、中間に20%、光のエネルギーが配分されます。多焦点レンズは光を配分する原理上、単焦点のメガネやコンタクトレンズの見え方よりややハッキリさが劣ります。あまりハッキリ見えなくても人前で老眼鏡を使用したくないような人(芸能人など)に向いています。
    暗所でのハローグレアも単焦点ICLや単焦点IPCLに比べると、やや強くなります。
    このレンズは原理的には遠近両用コンタクトレンズに近い見え方になると考えられ、遠近両用コンタクトレンズでシミュレーションを行うことも出来ます(全く同じではなく、あくまでシミュレーション程度です)。
    非優位眼(利き目ではない目)にのみ多焦点IPCLを移植し、優位眼(利き目)に単焦点ICLもしくは単焦点IPCLを移植するという選択肢もあります。そのため、まず非優位眼のみに手術を行うことをお勧めします。
    また、オーダーメイドで作成するため、発注からレンズの到着まで3カ月程度かかります。当院では通常、ICL術後3年の再手術の保証期間を設けていますが、このレンズに関しては入れ換え再手術(単焦点ICLへの入れ換え等)の保証はなく、正規の料金が必要です。
    ただし、摘出のみを希望される方は無料です。
    IPCLレンズ
    手術費用
    乱視なし 片眼 44万円(税込)
         両眼 88万円(税込)
    乱視あり 片眼 49万円(税込)
         両眼 98万円(税込)

どの方法がよいか迷う方へ

東京などの都会で電車かバスを利用して車の運転をしないという方は②③の方法を希望する方もいると聞いています。当院でICL手術を受ける方は車の運転をする方が多く、ほとんどの方が①の方法を選択されています。②③を希望される場合はコンタクトレンズを使って術後の見え方をシミュレーションすることも出来ます。
ご心配な方はまず片目だけの手術を行い術後の見え方を確認して、反対の目をどの位置に合わせるか考える方法もあります。

副院長と職員7名がICL手術を受けました

当院副院長(古賀朋代医師)がICL手術を受けました。

● 中学1年生より近視で眼鏡使用

● 高校1年生からハードコンタクトレンズ装用。
その後使い捨てコンタクトレンズを装用。

● 乱視が強く度数の左右差があるため、裸眼で遠方も
近方も見えず、不自由を感じていたため、ICL手術を
受けることを決心。

視力の変化

裸眼視力
右眼 0.08⇒1.5 左眼 0.15⇒1.5
に改善しました。

副院長の手術後の感想

手術直後に、手術室の時計の秒針まで見えて感動しました。

コンタクトレンズ装用時のドライアイ、アレルギー性結膜炎の症状も改善したので本当によかったです!
40代なので、老眼が進んだら眼鏡が必要にはなりますが、生活のほとんどは裸眼で可能なので
かなり生活しやすくなりました。

当院では、多くの職員がICL手術を受けています。

院内外の研修会において、ICL手術についての最新の知見を学んでいます。
経験者ならではの視点で、質問・疑問にお答えします。
お気軽にお声掛けください。

 

当院の職員8名(副院長、視能訓練士1名、看護師2名、事務職員4名)がICL手術を受けています。そのアンケート結果をポジティブな意見、ネガティブな意見を含めて、お示しします。

手術に対する感想は個人差があり、
すべての人に当てはまるものではありませんが
参考になればと思います。

ICL手術を受けようとしたきっかけは?
スタッフA
乱視が強くコンタクトレンズでもハッキリ見えずに夜間の運転が怖かったから。
スタッフB
コンタクトレンズを使用していて乾燥感があり、アレルギー性結膜炎でコンタクト装用すると違和感があったため。
スタッフC
コンタクトレンズが面倒だった。旅行が好きだがコンタクトレンズをつけて飛行機に乗ると乾燥する。 マリンスポーツが好きだがコンタクトレンズをつけたままで、海水が目に入らないか心配だった。 地震の時にコンタクトレンズも眼鏡も手元にないと何も見えなくなることが不安だった。
スタッフD
手術を受けた職員Aから話を聞き受けてみたいと思った。
手術に対する不安は?
スタッフA
乱視矯正ありのICLだったので、術後に回転しないか心配だった。
スタッフB
手術のメリット、デメリットや流れを知っていたので不安はなかった。
スタッフC
夜間によく運転するので、対向車の光でどの程度、まぶしく感じるか? コンタクトをつけるとよく見えていたので、術後どのくらい見えるか?
スタッフD
目薬での麻酔の為ため、手術時の痛みについてドキドキしていた。
手術は痛かったですか?
スタッフA
若干、押されるような圧迫感があった。手術中に乾燥による痛みがあった。
スタッフB
ICLの先端を虹彩の下に固定する時に押されるような痛みがあった。消毒の時が少ししみた。
スタッフC
目を押される感覚はあったが痛みはなかった。
スタッフD
右眼→左眼の順で受けたが、右眼は全く痛みはなかった。 左眼は消毒の時にしみる感じがあり、切開時と目の中の粘弾性物質を除去する時にチクッとした痛みがあった。
手術の感想
スタッフA
あっという間に終わった感じ。手術後、ベッドから起き上がった直後から見えていたので感動した。
スタッフB
医師や看護師が声をかけてくれたので安心して手術を受けることができた。
スタッフC
緊張して内容を覚えていない。
スタッフD
本当にあっという間に終わった。想像以上にリラックスして手術を受けることが出来た。
手術当日の帰宅後は?
スタッフA
手術直後はゴロゴロしていたが、帰る頃にはなくなっていた。 帰宅後は痛みもなかった。見えるようになっていたのでテレビなども普段通り見て過ごした。
スタッフB
少しゴロゴロして近くを見ると圧痛があった。
スタッフC
痛みは全くなかったので自宅でゆっくり過ごした。
スタッフD
手術室をでて15分くらいで涙やゴロゴロ感は落ち着き、瞳孔を開いているためか白っぽく見える感じやきらきらする感じはあった。帰宅する時には不自由ない程度に遠近とも見えていた。 帰宅後は好きな物を食べ、テレビを見たり、読書をしたりして過ごし、痛みもなかった。
術後の見え方は?
スタッフA
良好です。夜間に運転できなかったが普通に出来るようになって、すごく嬉しい。
スタッフB
近ともよく見える。ハッキリ見える。スポーツ観戦で遠くの選手やボールがよく見えるようになった。
スタッフC
翌朝からハッキリ見えていた。コンタクトレンズより良く見える気がする。
スタッフD
術後1日目の視力検査では他のICL術後の人に比べると視力が出づらいような気がしたので少し残念だったが、「しばらくすると慣れるかな?」と思って過ごした。 1週間経つ頃には見え方にも慣れてICLの利便性を実感できた。
ハロー・グレアは?
スタッフA
ある。上方向から光が当たると感じるが気にはならない。 もしかすると神経質な人は気になるかも。
スタッフB
車のライトのぎらつきなどは感じないが光の当たり方によって、ICLのホールがきらきら光って見えることがある。 普段の生活ではほとんど気にならないが運転中(特に夜間)は少し気になる。
スタッフC
対向車のヘッドライトで光の輪が出てくるが気にしないようにしている。 毎日、コンタクトレンズを着けることに比べたらハロー・グレアは我慢できる。 気になる人はずっと気になるかもしれないが、個人的には不自由はない。
スタッフD
仕事中や運転中に光の輪が見えたり視界の上の方でライトの光がキラキラ見えることがあるが、すぐに消えるので特に気にならない。夜間にあまり運転しないので分からないがドライバーは 気になるのではないかと思う。我々職員はICLの特性や今までにICLを受けた患者さんの経過を知っているので受け入れやすいが、気になる患者さんもいるかもと思う。
手術を受けてよかったと思いますか?
スタッフA
本当によかったと思う。
スタッフB
起床時や入浴時にも、しっかり見えるようになってよかった。 いつも出掛ける時に予備のコンタクトレンズや目薬を持ち歩いていたが、それが不要になって助かった。
スタッフC
とてもよかったと思う。眼鏡とコンタクトレンズの生活から解放されて快適。 裸眼で疲れずくもらないことが嬉しい。
スタッフD
朝、起きた時にコンタクトレンズをつけているようにクリアに見える。良かったと思う。

ICL手術のよくある質問

レンズはどんな素材でできていますか?
A. 詳しくはこちら
手術には年齢制限がありますか?
A. 21~45歳くらいが最も良い適応です。ICL手術を受けても40代後半になると老眼のため、手元は眼鏡が必要になります。最近では「災害時を考えて」「コンタクトがゴロゴロするようになった」などの理由で、50代でICL手術を受ける方もいます。詳しくはこちら
手術はどのくらいの時間がかかりますか?
A. 実際の手術時間は5分程度です。手術の前に目の消毒やICLの準備に5分程度かかりますので、片眼手術なら10分程度、両眼手術なら20分程度です。
手術は痛いですか?
A. 手術前に目薬の麻酔を行い、手術中に目の中の麻酔をしますので、基本的に痛みを感じることはありません。しかし、目に圧力がかかるときに重いような圧迫感を感じます。リラックス効果と痛みを和らげる効果のある低濃度笑気麻酔も併用できます。詳しくはこちら
術後どれくらいで視力が安定しますか?
A. 手術当日は少しぼんやりするため、車の運転は避けて頂いています。通常は翌日~1週間ぐらいで安定するのがほとんどです。
視力はどれくらい回復しますか?
A. 詳しくはこちら
術後に異物感を感じることはありますか?
A. ハードコンタクトレンズの場合は角膜の上にのせるので異物感を感じますが、ICLの場合は眼内に挿入するので異物感を感じることは通常ありません。レーシックと違いドライアイになりにくいので、ごろごろした感じや目の乾きを感じることも少ない手術です。
レンズは目の中でずれたり、割れたりしませんか?
A. ICLのレンズは、虹彩の裏側にある毛様溝という部分にレンズ両端の突起を入れて固定します。 よほどの強い衝撃でない限り、ずれることはまずありません。またとても柔らかい 素材なので、目の中で割れることもありません。
仕事はいつから出来ますか?
A. 事務仕事なら翌日の診察後から出来ます。翌日から出勤される方は朝一番(8時30分)の診察を予約しますので、早めにお申し付けください。 手術翌日はいくつか検査がありますので8時30分の予約でも9時30分前後までかかります。
肉体労働やホコリの多い場所での仕事は手術1週間後から可能です。
他の人から見てレンズが入っているとわかりますか?
A. ICLは虹彩と水晶体の間に固定され、他人から見ても肉眼では見えません。眼科の診察で使用する診察用顕微鏡を使わないと見ることはできません。
   
なぜ、院長はICL手術を受けてないの?
A. 院長は既に50歳を超えていて遠近両用眼鏡を使用しています。軽度の近視なので眼鏡を外すと近くはよく見えるため、自宅で雑誌を読む時は裸眼で見ています。ICL手術を受けると今まで裸眼で見えていた近くが見えにくくなり老眼鏡が必要になるため手術を受けていません。そのため、老眼のでる年齢になっていて軽度近視で裸眼で近くがよく見える人にはICL手術は基本的にお勧めしていません。
 最近は40代後半から50代でICL手術を希望し来院する人も増えてきました。コンタクトレンズを常用していて近くは老眼鏡に慣れている人は手術のよい適応です。近視や乱視が強く、遠くも近くも裸眼で見えていない人は、手術を受けると裸眼で遠くが見えるようになり、近くも薄い老眼鏡のみで済むので十分なメリットがあります。

詳しくは→
「先生はなんでメガネを掛けているの?」(眼科医向けの雑誌・銀海にエッセイが掲載されましたのでご参考に) 
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※手術目的の方が多いため、待ち時間が長くなることもあります。

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