近視治療 ICLとは

近視とは

   近視とは眼の前後の長さ(眼軸長)が長いため、網膜の手前にピントが合う状態です。

  • 正視

    眼に入った光が角膜と水晶体で曲げられ網膜にピントが合う。遠近とも裸眼で見える理想的な状態。

  • 近視

    眼の前後の長さ(眼軸長)が長いため、網膜の手前にピントが合う。

  • 近視の矯正

    凹レンズの眼鏡やコンタクトレンズで網膜にピントが合う状態にすることが一般的。

ICLとは?

ICLとは

   ICLとは小さなレンズを眼の中に移植し近視や乱視を治療する裸眼視力矯正手術のことです。

   2014年にICLの中央に0.36mmの穴を開けた、ホールICLが厚生労働省より認可されました。 このホール
   ICLは従来のICLより眼の中の水の流れをよくする効果があり、術後の眼圧の上昇や白内障のリスクが改善
   されました。 当院では全例でホールICLを使用しています。


眼鏡、コンタクトレンズ、ICLの比較
                           
眼鏡、コンタクトレンズ、ICLの比較図

ICLの特徴 メリット、デメリット

国内外での使用実績

2022年までに、全世界で200万眼以上の手術が行われています。


ICLレンズ出荷枚数推移のグラフ
日帰り手術が可能

ICL手術の所要時間は、片眼で約5分、消毒などの準備を合わせても両眼20分程度。レンズはとても柔らかい素材でできており、細長く折りたたんだ状態で眼内に挿入します。 レンズ挿入のための切開創は3mmと小さく、両眼を同日に手術でき、視力は1日~1週間ほどで回復します。

長期的な安定性と安全性

ICLのレンズ素材は、HEMA(水酸化エチルメタクリレート)とコラーゲンを共重合させたコラマーと呼ばれる素材から作られています。生体適合性が高く、目の中にいれても異物として認識されにくい大変優れた素材です。特別なメンテナンスをする必要はなく、目の中で長期間にわたって透明な状態を維持し、長くレンズとしての機能を果たします。眼内で10年以上経過しても全く劣化したり混濁しないことが証明されています(Nakamura et al., Am Ophthalmol. 2020) 。

タンパク質沈着テストを行ったレンズ素材表面の電子顕微鏡写真(1000倍)

左がICLで用いられるコラマー素材、右が白内障手術で用いる眼内レンズのアクリル素材。 ICLのコラマー素材はタンパク質の吸着の少ない安定した素材です。

ICLのメリット

① クリアな見え方

レーシックのように角膜を削ることなく、眼内のレンズで近視を治すため、術後の見え方を左右する収差が増えません。 そのため、ICL手術はクリアでコントラストの良い、見え方の質にこだわった近視の手術です。

② 長期に安定した視力

レーシックを受けた方の場合、一般に「近視の戻り」と言って、術後数年間で視力が少し近視気味に戻ってしまう傾向のあることが知られています。またこの「近視の戻り」の傾向は、特に強度近視の方ほど顕著にみられます。ICL手術では「近視の戻り」はなく、長期的に安定していると報告されています(Igarashi A. Expert Review of Ophthalmology, 2019)。

③ 手術後でもICLを取り出すことが可能

ICLのレンズは交換する必要はなくそのままずっと目の中に入れておくことが可能で、コンタクトレンズのような日々の手入れも不要です。万が一、術後に問題が生じた場合や、どうしても術後の見え方が気に入らない場合は、レンズを取り出して元の状態に戻すことができます。これは角膜を削るレーシックとは大きく異なるメリットです。

④ 安心の認定医制度

資格が不要なレーシックと違い、ICL手術は認定をうけた眼科医のみが行える手術です。 認定医になるには、ICL認定講習を受講し、インストラクターの立会いのもとで手術を行い、一定レベル以上の技量があると認められる必要があります。古賀貴久院長は九州、中国、四国で唯一のエキスパートインストラクターです

⑤ 強度近視や角膜の薄い方も治療可能

角膜を削るレーシックでは、矯正できる度数に限界があります。ICLでは幅広い度数のレンズが用意されており、最強度の近視でも矯正することが可能です。角膜を削らないため、レーシックできない角膜の薄い方も手術できます。

⑥ ドライアイになりにくい

角膜を広範に切開するレーシックでは角膜の知覚神経が切断され涙の分泌が減りドライアイになることがあります。ICL手術は非常に小さな角膜切開で行うため、涙の分泌には影響しません。 (涙の分泌が増えてドライアイが治ることはありません)

⑦ 30年以上の歴史

ICLは新しい手術というイメージがありますが、1993年にイタリアで世界最初の手術が行われ、1997年に日本で初めての手術が行われ、30年以上の長い歴史があります。
 初期のICLは術後に白内障や緑内障が起こる可能性がありましたが、ホールICLが開発されこれらの合併症が改善され、最も有効性、安全性に優れた屈折矯正視力として認識されるようになりました。

ICLのデメリット

① 費用

レンズ自体が高額なため、手術費用も高額になります。

② ICL手術を出来る施設が限られている

ICL手術は認定医のみが行える手術のため、執刀できる医師が限られます。古賀貴久院長は九州、中国、四国で唯一のエキスパートインストラクターに認定されています。

③手術までに時間がかかることがある

ICLはその人その人にあった度数のレンズを用います。レンズを注文してから届くまでに2~4週間程度かかります。ICLを検討されている方は早めに適応検査を受けることをおすすめします。

眼科こがクリニックのICL手術が
選ばれる理由

九州全県からすでにICL手術を目的にご来院いただいています

九州地図
  • 1. 九州、中国、四国地方で唯一のエキスパートインストラクターによる
     確かな手術

      ICL手術は資格が不要なレーシックとは異なり、安全かつ安心に手術が普及できるように、認定医(ラインセンス)制度があり、認定医のみが手術を行うことができます。300名以上いる認定医は3段階に分けられ、最上位に位置するエキスパートインストラクターは、日本全体でも14人のみです。九州、中国、四国地方では古賀貴久院長ただ1人です(2024年9月時点)。

    エキスパートインストラクター

    ICLの認定医の区分
    ・エキスパートインストラクター

      日本全国の眼科医に対しICL手術を教育・
    指導し、ICLの認定医を決める最終決定権を
    持つ。また、認定制度の規定にも携わる。
    ・インストラクター
      自身が勤務している医療機関内で、指導
    や認定医を決める権限を持つ。
    ・認定医
      ICL手術をすることが認められた眼科医

    エキスパートインストラクターの分布

    エキスパートインストラクターの分布
    古賀貴久院長は、九州、中国、四国に唯一
    のエキスパートインストラクターとして、IC
    L手術を志す後進の教育、指導にも尽力して
    います。

    ICL認定医の認定証ICL認定医の認定証
    ICLインストラクターの認定証 ICLインストラクターの認定証
    ICLエキスパートインストラクターの認定証ICLエキスパートインストラクターの認定証

    ICLには認定医制度があるのをご存じですか?
  • 2. 副院長と職員6名がICL手術を受けています

     当院では既に副院長と6名の職員がICL手術を受けています。実際に手術を受けた人に聞きたい質問、疑問に何でもお答えしますので、気軽に相談ください。

    副院長と職員7名がICL手術を受けています
    副院長と職員7名がICL手術を受けています
  • 3.安心の3年間の長期保証

     追加手術は術後3年間は無料です。(度数変更のレンズ交換手術は片眼につき1回まで無料です)
    将来、白内障が起こった時や他の目の病気が起きた場合のICL摘出手術は3年以上経っていてもずっと無料です。

  • 4. 当院は地域に根差した眼科クリニックで眼科の全領域に対応しています

     かつて全国にチェーン展開していたレーシックセンターでは、あまり眼科の知識がない医師がレーシック手術を執刀し、なにか目のトラブルがあっても対応が出来ずに、「レーシック難民」という言葉も生まれました。さらに、これらのレーシックセンターは経営破綻した施設も多く、術後のケアが受けられないという問題も生じました。
     当院は地域に根差した眼科クリニックで、眼科経験の豊富な3名の眼科専門医が眼科の全領域に対応しています。当院で行っていない専門的な眼科治療が必要な場合は適切な医療機関を紹介することもできます。

  • 5. 徹底した術前検査

     ICL手術の成功のカギは術前検査で目の状態を正確に調べることです。初診時の適応検査で屈折検査(機械で近視、乱視の度数を調べる検査)、視力検査、眼圧検査、乱視の検査、散瞳薬を点眼した状態での屈折検査、緑内障や網膜剥離の兆候がないかを調べる眼底検査など様々な検査を行います。
    2回目の来院で屈折検査の再検査とICL度数を決める詳しい検査を行います。その結果、初診時の①屈折検査、②視力検査、③散瞳した状態での屈折検査、2回目の来院時の④屈折検査、⑤詳しい視力検査の5つのデータを見比べてICLの度数を決定します。もしも、これらの5つのデータが不安定な場合はもう一度来院して再検査することもあります。
    ICL手術は短時間で終わる手術ですが、術後の見え方はその後の長い人生を大きく左右します。多少手間がかかっても、日を変えて複数回の検査を行うことが精度の高い手術に不可欠です。信頼できる医療機関を慎重に選ばれることをおすすめします。

    屈折検査屈折検査
    視力検査視力検査
  • 6. 万全の感染対策

     手術室の清潔度は1㎡中の微粒子数で表されます。眼科手術室ではクラス10,000程度が必要とされてます。当院は高性能のHEPAフィルターを導入し、基準より約10倍清潔なクラス1,000の手術室で手術を行っています。

    万全の感染対策
    万全の感染対策

ICL手術の適応(向いている人、向かない人)

ICL手術の適応(向いている人)

  • ●21歳から45歳くらいまでの近視の人
     45歳以上ではICL手術を受けても近くを見る時は老眼鏡が必要になります

ICL手術の非適応(向かない人)

  • ●21歳未満

  • ●妊婦(妊娠後期には近視の度数が不安定になります)

  • ●術前1年以内に近視が進行した方

  • ●角膜から水晶体までの距離が短い方(検査をして判断します)

  • ●円錐角膜の方(角膜の形の異常で検査をして判断します、初期の場合は手術できることもあります)

  • ●角膜内皮細胞障害のある方(角膜内皮細胞の写真を撮って判断します)

手術の方法

1 点眼麻酔をして、角膜を 約3mm切開します。
2 切開した部分からICLを 目の中に挿入します。
3 虹彩と水晶体の間にICLを インプラントします。

レンズは虹彩の下にインプラントされますので、肉眼では見えません。



手術が不安な方へ

 手術は目薬の麻酔で全く問題ありませんが、手術への不安感が強い方には以下の方法もあります。


➀抗不安薬の内服

 手術前に不安を和らげリラックス効果のある抗不安薬を内服することも出来ます。ただし、術後に眠くなることがありますので、付き添いのある方やタクシーで帰宅される方にお勧めしています。

➁低濃度笑気麻酔

 手術前~手術中に、マスクの脇から酸素と笑気を混合した気体を流すと、リラックス効果と痛みを和らげる効果が得られます。笑気ガスを止めると効果は速やかになくなります。歯科ではお子様の治療などで以前から使用されている方法です。

治療の流れ(手術前後の通院)

 


インターネット予約または電話予約

完全予約制ですので、スマートフォン・PCからのインターネット予約(おすすめ)または、お電話で予約を入れてください。

予約はこちら
1回目の来院、適応検査(無料です)

ICL手術が可能か診断します。
コンタクトは装用したまま来院して大丈夫です。検査前にご自身で外していただきます。

※散瞳薬をつかっての検査があります。まぶしさが強く見えづらくなるため、検査後すぐにはお車やバイクの運転ができません。(3~5時間ぐらいで元の見え方に戻ります)
送迎または公共交通機関を使ってのご来院をお勧めします。
やむを得ずご自身の運転でご来院の方は検査後数時間休んでご帰宅ください。
    

適応検査後に希望される方には術前検査の予約をします。
迷われる方はご自宅で考えて希望される場合はインターネットで術前検査の予約ができます。

2回目の来院、術前検査、術前説明

【 検査予約前に必ずご確認ください 】
※コンタクトレンズ使用中の方:検査前に装用中止期間が必要です
  ハードコンタクトレンズ →検査日2週間前から中止
  ソフト コンタクトレンズ →検査日当日朝から中止
 
適応検査のデータを参考に、屈折検査(近視、遠視、乱視の度数を調べる検査)と視力検査を再度行い、ICL度数を決定します。日を変えて複数回の検査を行い、データのばらつきがないことを確認することがICL手術の精度を上げるカギだと言われています。
その後、手術内容について時間をかけて詳しく説明します。

手術当日

●指定の時間にご来院下さい。
※手術後は保護眼鏡をします。車の運転をして
帰宅することは出来ませんのでご注意ください。

●散瞳剤の目薬など手術の準備をします。
(40分~60分くらいかかります)

●手術時間は両眼で20分程度です。

     

●術後15分くらい安静に過ごしていただいた後に
眼圧を確認し、帰宅になります。

術後の診察

翌日、1週間後、1か月後、3か月後の定期検診に
なります。

 

ICL手術の費用

乱視なしの場合
片眼
両眼
33万円(税込)
66万円(税込)
乱視ありの場合
片眼
両眼
36万円(税込)
72万円(税込)

※ICL手術の費用、手術前後に必要な薬剤費用、手術後3年間の検診費用をすべて含んでいます。
※ICL手術とは直接関係ない目の病気の診察費用・薬剤費用は健康保険の適応となります。
※保証期間3年間
 ・手術後3年以内の追加手術(度数変更の入れ換え手術は片眼につき1回まで)は無料です。
 ・手術後3年以降のレンズの入れ替え手術は通常費用です。
 ・レンズを取り出す手術はいつでも無料です。


【 ICL手術費用のお支払い方法 】

 ◆銀行振込
 ◆クレジットカード
使用カード一覧  ◆メディカルクレジット 

日専連の医療ローンで最大60回までの分割払いが可能です(ボーナス併用払いも出来ます)
メディカルクレジットに関するお問い合わせ専用電話 ☎096-324-4792
分割払いシュミレーションもご利用ください
(日専連ファイナンスのページが開きます)
日専連HP二次元バーコード

※手術費用の一部を一括払い、残りを分割払いにするというお支払い方法も可能です。ご相談下さい。

ICLとコンタクトレンズの費用比較

コンタクトレンズ(ワンデイタイプ)を使用する場合、費用は両眼1ヶ月で6千円程度、10年間で約72万円になります。またその他にも診察や検査の費用などがかかります。

ICL(眼内コンタクトレンズ) は、基本的に手術は1回で済み、毎日のケアも不要なことからも、コンタクトレンズに比べメリットの多い治療です。

ICLとコンタクトレンズの費用比較


ICL、IPCL、Eyecrylについて


ICL(STAAR社、米国)

 ICLは1993年に最初の手術が行われ、既に30年の歴史があり、全世界で300万眼以上の実績があります。ソフトコンタクトレンズで使用されているHEMAとコラーゲンを重合したコラマーという素材で作られ、電子顕微鏡での詳細な解析で術後10年以上経ってもレンズが濁ったり劣化しないことが証明されています(Nakamura et al., Am Ophthalmol. 2020) 。厚労省に認可された唯一の後房型有水晶体眼内レンズです。


IPCL(EyeOL社、イギリス)

 親水性アクリルという素材で作られています。短期成績はICLと遜色ないと論文報告されていますが、長期データは不明です。ホール(穴)が多く、グレア・ハローの原因となる光学部と支持部の移行部に2か所あるため、瞳孔の大きさによってはグレア・ハローがICLより強くなることも懸念されます。厚労省の認可もないため、当院では使用していません。


Eyecryl(WEYEZER社:スイス)

 親水性アクリルという素材で作られています。長期データが不明で、レンズの光学径が5mmと小さくグレア・ハローもICLより強くなることが懸念されます。厚労省の認可もないため、当院では使用していません。

  • ICL「EVO+」STAAR Surgical社製

    ICL「EVO+」
    STAAR Surgical社製

  • IPCL EyeOL社製

    IPCL
    EyeOL社製

  • Eyecryl BiotechHealthcare社製

    Eyecryl
    BiotechHealthcare社製

ICL IPCL Eyecryl
素材 コラマー 親水性アクリル 親水性アクリル
厚労省の認可 あり なし なし
備考 全世界で300万眼以上の実績
10年以上経ってもレンズが混濁、劣化しないことが証明
長期的な安定性が不明 長期的な安定性が不明



術後の視力は?

 ICL手術は眼鏡やコンタクトレンズの度数と同程度の度数のレンズを目の中に移植して近視を矯正する手術です。そのため、今までの眼鏡やコンタクトレンズを使用した視力に近い裸眼視力まで回復することが出来ます。

当院でのICL手術の裸眼視力の変化

ICL手術の合併症(危険性)

異物感、充血、かすみ

傷口が治癒し、炎症が治まることで、時間とともに改善します。

視力の変動

術後1週間ほどは、炎症などで視力が変動することがあります。

グレア・ハロー

ICL手術のデメリットとしてはグレア・ハロー があります。夜間に強い光を見たときに、にじんだり輪がかかって見える現象です。また昼間も光の当たり方によってはホールの部分で丸い光が見えると感じることがあります。ほとんどの人が2~3か月で気にならなくなります。しかし、どうしても気になってしまい、ICLを摘出して元のコンタクトレンズの生活に戻った人が2名 (0.2%) います。ICL手術の場合、万が一、見え方が気に入らなくても摘出して元に戻せることは大きな利点です。


手術直後        手術直後は光の輪が何重にも見える
     
術後数か月   数か月経つと光の輪が狭くなりほとんど気にならなくなる

感染症(術後眼内炎)

術後眼内炎:傷口から細菌が侵入し失明する可能性もある最も怖い合併症です。ICL手術での発生頻度は6000件に1件(0.017%)と眼科手術の中でも非常に低い頻度で、適切な治療によって全例で視力低下はなかったと報告されています。当院で発生したことはありません。
参考文献 Allan BD, Argeles-Sabate I, Mamalis N.J. Cataract Refract Surg. 2009: 766-9.

レンズ回転

乱視用のレンズでは術後にレンズが回転して見えにくくなることがあります。その際はレンズの位置調整の追加手術を行います。(0.58%)
参考文献 北澤世志博. IOL and RS. 2021: 592-598.

45歳以上のICL手術

 ICL手術は21歳から45歳までがよい適応とされています。
 45歳以上でICL手術を受ける場合の注意点を説明します。


老眼

 人間は目の中でレンズの役割をする水晶体を厚くしたり薄くしたりして、遠くや近くにピントを合わせています。しかし、40歳代半ばから水晶体が厚くなったり薄くなったりすることが出来なくなり、ピントを合わす機能が低下する現象を老眼(老視)と言います。ICLは1カ所にピントが合う単焦点のレンズです。そのため、45歳以上ではICL手術を受けても、近くを見る時には眼鏡(いわゆる老眼鏡)で対処する必要があり、完全に眼鏡なしの生活は無理です。

老眼年齢のICL手術

  • ①両眼とも遠方に合わせる

     最も一般的な方法で、近くが見えにくく感じる場合は老眼鏡を使用するという方法です。車の運転を裸眼でしたい場合はこの方法になり、当院ではほぼすべての方がこの方法を選ばれています。

  • ②両眼とも遠方を少し弱めに合わせる

     老眼が出始めたら眼鏡やコンタクトレンズの度数を少し弱くして、眼鏡なしで遠近ともある程度見えることを希望される人がいます。そのように、0.7~0.9程度の遠方裸眼視力になることを目標に少し度数の弱いICLを使用します。この方法は車の運転をしない人で、ある程度遠近とも見えていたらよいと思う人に適した方法です。車を運転する場合は薄い眼鏡を使用した方がより安全だと思います。また、年齢と共に老眼が進行すると、最終的には老眼鏡が必要になることがほとんどです。

  • ③片目を遠方に片目を近方に合わせる

     この方法では左右の見え方が違うため違和感を持つ方もいます。見え方に左右差があると遠近感や距離感が分かりにくくなります。また、斜視の傾向のある方はICL術後に斜視が出てくることがあります(この方法を希望される場合は斜視の傾向があるかどうか検査します)。

  • ④3焦点の有水晶体眼内レンズ(IPCLプラス)

     遠中近にピントが合うように作られたレンズです。ただし、眼鏡やコンタクトレンズよりコントラスト(ハッキリさ)が劣り、ハローグレアも強いため、満足度はあまり高くないと言われており、厚労省の承認もないため当院では採用していません。

    IPCLレンズ

副院長と職員6名がICL手術を受けました

当院副院長(古賀朋代医師)がICL手術を受けました。

● 中学1年生より近視で眼鏡使用

● 高校1年生からハードコンタクトレンズ装用。
その後使い捨てコンタクトレンズを装用。

● 乱視が強く度数の左右差があるため、裸眼で遠方も
近方も見えず、不自由を感じていたため、ICL手術を
受けることを決心。

視力の変化

裸眼視力
右眼 0.08⇒1.5 左眼 0.15⇒1.5
に改善しました。

副院長の手術後の感想

手術直後に、手術室の時計の秒針まで見えて感動しました。

コンタクトレンズ装用時のドライアイ、アレルギー性結膜炎の症状も改善したので本当によかったです!
40代なので、老眼が進んだら眼鏡が必要にはなりますが、生活のほとんどは裸眼で可能なので
かなり生活しやすくなりました。

当院では、多くの職員がICL手術を受けています。

院内外の研修会において、ICL手術についての最新の知見を学んでいます。
経験者ならではの視点で、質問・疑問にお答えします。
お気軽にお声掛けください。

 

当院の職員7名(副院長、視能訓練士1名、看護師1名、事務職員4名)が
ICL手術を受けています。そのアンケート結果を
ポジティブな意見、ネガティブな意見を含めて、お示しします。

手術に対する感想は個人差があり、
すべての人に当てはまるものではありませんが
参考になればと思います。

ICL手術を受けようとしたきっかけは?
スタッフA
乱視が強くコンタクトレンズでもハッキリ見えずに夜間の運転が怖かったから。
スタッフB
コンタクトレンズを使用していて乾燥感があり、アレルギー性結膜炎でコンタクト装用すると違和感があったため。
スタッフC
コンタクトレンズが面倒だった。旅行が好きだがコンタクトレンズをつけて飛行機に乗ると乾燥する。 マリンスポーツが好きだがコンタクトレンズをつけたままで、海水が目に入らないか心配だった。 地震の時にコンタクトレンズも眼鏡も手元にないと何も見えなくなることが不安だった。
スタッフD
手術を受けた職員Aから話を聞き受けてみたいと思った。
手術に対する不安は?
スタッフA
乱視矯正ありのICLだったので、術後に回転しないか心配だった。
スタッフB
手術のメリット、デメリットや流れを知っていたので不安はなかった。
スタッフC
夜間によく運転するので、対向車の光でどの程度、まぶしく感じるか? コンタクトをつけるとよく見えていたので、術後どのくらい見えるか?
スタッフD
目薬での麻酔の為ため、手術時の痛みについてドキドキしていた。
手術は痛かったですか?
スタッフA
若干、押されるような圧迫感があった。手術中に乾燥による痛みがあった。
スタッフB
ICLの先端を虹彩の下に固定する時に押されるような痛みがあった。消毒の時が少ししみた。
スタッフC
目を押される感覚はあったが痛みはなかった。
スタッフD
右眼→左眼の順で受けたが、右眼は全く痛みはなかった。 左眼は消毒の時にしみる感じがあり、切開時と目の中の粘弾性物質を除去する時にチクッとした痛みがあった。
手術の感想
スタッフA
あっという間に終わった感じ。手術後、ベッドから起き上がった直後から見えていたので感動した。
スタッフB
医師や看護師が声をかけてくれたので安心して手術を受けることができた。
スタッフC
緊張して内容を覚えていない。
スタッフD
本当にあっという間に終わった。想像以上にリラックスして手術を受けることが出来た。
手術当日の帰宅後は?
スタッフA
手術直後はゴロゴロしていたが、帰る頃にはなくなっていた。 帰宅後は痛みもなかった。見えるようになっていたのでテレビなども普段通り見て過ごした。
スタッフB
少しゴロゴロして近くを見ると圧痛があった。
スタッフC
痛みは全くなかったので自宅でゆっくり過ごした。
スタッフD
手術室をでて15分くらいで涙やゴロゴロ感は落ち着き、瞳孔を開いているためか白っぽく見える感じやきらきらする感じはあった。帰宅する時には不自由ない程度に遠近とも見えていた。 帰宅後は好きな物を食べ、テレビを見たり、読書をしたりして過ごし、痛みもなかった。
術後の見え方は?
スタッフA
良好です。夜間に運転できなかったが普通に出来るようになって、すごく嬉しい。
スタッフB
近ともよく見える。ハッキリ見える。スポーツ観戦で遠くの選手やボールがよく見えるようになった。
スタッフC
翌朝からハッキリ見えていた。コンタクトレンズより良く見える気がする。
スタッフD
術後1日目の視力検査では他のICL術後の人に比べると視力が出づらいような気がしたので少し残念だったが、「しばらくすると慣れるかな?」と思って過ごした。 1週間経つ頃には見え方にも慣れてICLの利便性を実感できた。
ハロー・グレアは?
スタッフA
ある。上方向から光が当たると感じるが気にはならない。 もしかすると神経質な人は気になるかも。
スタッフB
車のライトのぎらつきなどは感じないが光の当たり方によって、ICLのホールがきらきら光って見えることがある。 普段の生活ではほとんど気にならないが運転中(特に夜間)は少し気になる。
スタッフC
対向車のヘッドライトで光の輪が出てくるが気にしないようにしている。 毎日、コンタクトレンズを着けることに比べたらハロー・グレアは我慢できる。 気になる人はずっと気になるかもしれないが、個人的には不自由はない。
スタッフD
仕事中や運転中に光の輪が見えたり視界の上の方でライトの光がキラキラ見えることがあるが、すぐに消えるので特に気にならない。夜間にあまり運転しないので分からないがドライバーは 気になるのではないかと思う。我々職員はICLの特性や今までにICLを受けた患者さんの経過を知っているので受け入れやすいが、気になる患者さんもいるかもと思う。
手術を受けてよかったと思いますか?
スタッフA
本当によかったと思う。
スタッフB
起床時や入浴時にも、しっかり見えるようになってよかった。 いつも出掛ける時に予備のコンタクトレンズや目薬を持ち歩いていたが、それが不要になって助かった。
スタッフC
とてもよかったと思う。眼鏡とコンタクトレンズの生活から解放されて快適。 裸眼で疲れずくもらないことが嬉しい。
スタッフD
朝、起きた時にコンタクトレンズをつけているようにクリアに見える。良かったと思う。

ICL手術のよくある質問

ICL手術の適応について
 
何歳くらいの人が適応ですか?
  
A. 21歳から45歳までの近視の方がよい適応で、ほとんどの方が眼鏡なしでの生活が可能になります。45歳半ば以降になると手術を受けても近くは老眼鏡が必要になるため、お勧めしていません。
 子供のころ特に成長期には眼球も徐々に前後に長くなり近視が少しずつ進行しますが、20歳を過ぎると近視が進行しなくなるとされているので、21歳以上がよい適応と考えられています。
遠視でもICL手術できますか?
A. できません。日本で承認されているICLは近視用のものだけのため、当院では遠視のICL手術は行っておりません。
乱視は治りますか?
A. 乱視も矯正できます。
老眼は治りますか?
A. ICLで老眼は治りません。ICLのコラマー素材とは異なるアクリル素材のIPCLには遠中近にピントが合う『IPCLプラス』があります。ただし、コントラスト(ハッキリさ)が劣り、ハローグレアが強いため、満足度は低いようなので、当院では行っていません(詳しくは→)。
レーシックを受けていますがICL手術を受けることはできますか?レーシック前のデータは必要ですか?
A. できます。レーシック後の方もICL手術で裸眼視力が回復できます。レーシック前のデータは不要です。
ドライアイがありますが、ICL手術を受けることができますか?
A. できます。レーシックでは術後に涙の分泌が減りドライアイが悪化しますが、ICLでは涙の分泌はほとんど変わらないため、ドライアイの方も問題なく手術を受けることができます。
アレルギー性結膜炎がありますがICL手術を受けることができますか?
A. できます。コンタクトレンズは目にとって異物で表面にアレルゲンが付着してアレルギー性結膜炎を悪化させるので、コンタクトレンズが不要になるとアレルギー性結膜炎の症状が軽減し喜ばれる方が多いです。
二重瞼(ふたえまぶた)の手術をしていますが、ICL手術を受けることができますか?
A. 二重瞼(ふたえまぶた)の手術から1か月以上経っていれば可能です。
妊娠中ですが手術できますか?
A. 妊娠後期には近視の度数が変化することがあり、また、手術前後で使用する内服薬の胎児への安全性も証明されていないため、妊娠中は手術を行っていません。
授乳中ですが手術できますか?
A. できます。授乳中も手術は避けた方がいいのですが、育児休暇中に手術を希望される方もいます。母乳中に内服薬や点眼薬の一部が移行することが知られていますので、出産後3か月以上経過し、さらに手術後2日程度は母乳を中止してミルクでも大丈夫な方には手術を行っています。
適応検査で不適応になることはありますか?
A. あります。不適応の理由として一番多いのはレンズを入れるスペースが一定以上の広さがない場合です。近視以外の目の病気が見つかった場合も不適応になることもあります。不適応になる割合は手術希望の方の10%以下です。
海外に住んでいますが手術を受けることは可能ですか?
A. 非常に稀ですが術後1週間程度は急に炎症が強くなったり感染症になったりする可能性があります。万が一の場合すぐに対応できるように、術後2週間程度は国内にいることが可能な方のみ手術しています。



手術前について
 
手術の日まで、どのくらいの来院が必要ですか?来院したらどのくらい時間がかかりますか?
  
A. 基本的に2回の来院が必要です。
  
A. 基本的に2回の来院が必要です。
 1回目 適応検査:ICL手術の適応であるかどうかの検査をします。
 2回目 術前検査:ICLの度数を決める検査をします。
  ※所要時間は両検査日とも、それぞれ90~120分程度です(詳しくは→) 
   
1回の来院だけで手術できませんか?
  
A. 少なくとも2回の来院が必要です。
 当院では手術前に日を変えて2回の検査を行っています。1回目の適応検査のデータを参考に、2回目の術前検査で屈折検査(近視、遠視、乱視の度数を調べる検査)と視力検査を再度行い、ICL度数を決定します。日を変えて複数回の検査を行い、データのばらつきがないことを確認することがICL手術の精度を上げるカギだと言われています。もしもバラつきがある場合はさらにもう一度、来院していただくこともあります。 
適応検査(1回目の受診)はどのような検査をするのですか?注意点は?
A. 視力検査、眼圧検査、眼底検査、前眼部3次元画像解析、眼底3次元画像解析、角膜内皮細胞検査等を行います。散瞳(目薬で瞳孔を開く)検査も行いますので、検査後は3~5時間程度まぶしくて見えづらくなり、運転しにくくなります。車で来院する場合は、見え方が戻るまで車で休んで帰るか、運転してもらえる人と一緒に来院してください。検査・診察の所要時間は90~120分程度です。
適応検査(1回目の受診)は無料ですか?
A. 無料です。ただし、適応検査で目の病気が見つかり、その治療や薬の処方を本人が希望した場合は、健康保険での自己負担分の支払いが必要です。
適応検査(1回目の受診)の時に何を持ってくればいいですか?
A. ・マイナンバーカードまたは健康保険証
  ・使用中の眼鏡
  ・使用中のコンタクトレンズの度数の分かるもの(パッケージなど)
適応検査(1回目の受診)を受けると、手術しないといけませんか?
A. 必ずしも手術を受ける必要はありません。当院では適応検査(1回目の受診)の後、手術を希望される方は次回の術前検査(2回目の受診)の予約を入れています。迷われる方は自宅でご検討いただいて結構です。その後手術を希望される場合には、インターネットで術前検査の予約を入れていただいています。
適応検査(1回目の受診)の時は、コンタクトレンズをつけたまま来院していいですか?
A. 可能なら眼鏡でお越しください。
 眼鏡をお持ちでない場合は、コンタクトレンズをつけて来院していただいても大丈夫です。
 ただし、術前検査(2回目の受診)の時は、コンタクトレンズはつけずに来院してください。(術前検査前のコンタクトレンズ中止期間については次の質問項目を参照)
術前検査(2回目の受診)の前に、どのくらいコンタクトレンズを中止する必要がありますか?
A. <ソフトコンタクトレンズの場合
 術前検査当日の朝起きてから装用せずに来院してください。コンタクトレンズの装用で角膜の形が変化することが知られているため、以前はソフトコンタクトレンズを1週間ほど中止していただいていました。しかし、「ソフトコンタクトレンズを外した後に角膜の形状変化を時間経過とともに計測したところ、外して3時間以上経過していれば影響がなくなる」というデータが論文報告されたため、前日までは普段通りに装用されて結構です。
ハードコンタクトレンズの場合
 ハードコンタクトレンズは硬く角膜が元の状態に戻るのに時間がかかるため、術前検査の2週間前から装用しないでください。装用できない2週間はソフトコンタクトレンズで過ごしていただいても大丈夫です。


手術日のこと
 
手術日は何曜日ですか?
  
A. 月曜・火曜・水曜・木曜の午後と、金曜の午前です。
手術日の前後はどのくらい仕事を休むといいですか?
  
A. 理想的には手術日と翌日の2日間の休みを取るとよいと思います。
 手術翌日に出勤される方は8時30分の診察予約にすると9時30分頃には終了しますので、その後に出勤されても大丈夫です。土日が休みの方は金曜の手術を希望される方が多いです。
手術は痛いですか?どのような麻酔をしますか?
  
A. 目薬の麻酔だけで痛みの感覚はなくなります。ただし、圧力に関する感覚は残るので、眼に圧力がかかるときに重いような感じや圧迫感を感じます。不安が強い方には抗不安薬の内服や低濃度笑気麻酔をすることもできます(意識がなくなることはなく、リラックスした状態になります)。
手術中に手術器具が見えますか?
  
A. 手術中は顕微鏡の光が眩しいので器具は見えません。
手術は何分くらいかかりますか?
  
A. 手術時間は片目5分程度で、合計すると20分くらい手術室にいることになります。
 手術室入室後の流れ:消毒などの手術の準備(約5分)→手術(約5分)→反対の目の手術準備(約5分)→反対の目の手術(約5分)
手術当日~翌日の診察までの過ごし方は?
  
A. 自宅でゆっくりお過ごしください。手術後も生活に問題ない程度は見えますが、見え方が安定しないので車の運転はしないでください。入浴、洗顔、洗髪、お化粧、飲酒はできません。手術直後から透明な保護眼鏡を使用していただきますが、寝る時は外して大丈夫です。翌朝は保護眼鏡を掛けて来院してください。
手術日の流れは? いつ頃帰宅できますか?
  
A. 来院から帰宅まで2時間前後かかります。
 当院が指定する時間に来院してください。瞳孔を開く目薬を点眼するなどで待合室での手術の準備に40分~1時間くらいかかります。順番が来ると移動し、手術準備室で手術中の注意点の説明などの最終準備に5~10分程度かかります。実際に手術室にいるのは20分程度です。手術室から退出後15分で眼圧を測定し、問題なければ帰宅になります。
手術後は1人で帰れますか?付き添いが必要ですか?
  
A. お一人でも大丈夫です。手術当日は手術中に使用した薬剤の影響などで見え方が多少ぼんやりしていますが、保護メガネを装用していただくだけで眼帯で目をふさぐことはありません。ただ運転はできませんので送迎やタクシー、公共交通機関でご帰宅ください。抗不安薬の内服を希望される場合は帰宅時に眠くなることがありますので、タクシーで帰宅されるか、ご心配であれば付き添いがあった方がよいと思います。


レンズについて
 
レンズの素材は?
  
A. コンタクトレンズで使用されるHEMAとコラーゲンを重合させたコラマーという素材で作られています。1993年に初めて移植されてから30年以上300万眼以上の実績があります。当院では厚労省に認可されているSTAAR社製のICLのみ使用しています。
レンズの寿命は?経年劣化で取り換える必要性はありますか?
  
A. 経年劣化による交換は不要です。厚労省に認可されているSTAAR社製のICLはコラマーと言う眼内の安定性が高い素材でできています。30年以上の歴史があり世界中で300万眼以上の使用実績がありますが、経年劣化で交換が必要になったという報告はなく、眼内で10年以上経過しても全く濁りがなかったことが電子顕微鏡を用いた調査でも証明されています。
 最近、厚労省の認可のないICLに類似したレンズを個人輸入して低価格で手術を行っている施設もありますが、長期的な安定性が確認されていないため当院では厚労省に認可されたレンズのみ使用しています。
レンズが眼内で割れることはないのですか?
  
A. ICLはコラマーという軟らかい素材で出来ています。コンタクトレンズのように割れたり破れたりすることはありません。
レンズがズレたり動いたりすることはないのですか?
  
A. 目に強い衝撃(目を殴られる、目を強くぶつける等)が加わるとレンズがズレたり動いたりすることがあります。当院では目を殴られてレンズがずれたため正しい位置に戻す手術を行った方が1名います。術後は目を強くぶつけないように注意してください。
他人から見てレンズが見えますか?
  
A. 見えません。診察で使用している顕微鏡を用いるとレンズを確認できますが、眼科医でも肉眼ではICL手術を受けているかどうかは判断できません。
ICLを取り出したら、本当に元通りの目に戻りますか?
  
A. 戻ります。 ICLは何年たっても劣化することはなく、癒着することもないため、安全に取り出すことが可能です。


費用について
 
支払いの方法は?
  
A. 現金振り込み、クレジットカード払い、メディカルクレジットによる分割払いの方法があります。またこれらの方法の併用もでき、一部を現金振り込みまたはクレジットカード払い、残りをメディカルクレジットによる分割払いという支払い方も可能です(詳しくは→)。
費用には何が含まれていますか?
  
A. ICL手術に対する手術費用、手術前後に必要な薬剤費用、手術後3年間の検診費用を含んでいます。手術後3年以内の追加手術(度数変更の入れ換え手術は片眼につき1回まで)が必要になった場合も無料です。
 ただし、ICL手術とは直接関係しない眼の病気に対する診察・検査・治療は健康保険の適応となり自己負担分の支払いが必要です。
施設によって手術費用(価格)が違うのはなぜですか?
  
A. ICLは米国STAAR社のレンズにつけられた名前です。ICLに類似したレンズとしてIPCLとEyecryl(アイクリル)がありますが、厚労省の認可がないため、医師の責任で個人輸入して使用する必要があります。格安の施設ではこれらの低価格のレンズを使用している施設もあるようです。当院では長期的な安全性が証明されていて、厚労省の認可のあるICL(米国STAAR社)のみを使用しています。
 また、当院では入念な検査で度数やサイズを決め、九州で1人しかいないエキスパートインストラクターである経験豊富な院長が責任もって執刀しています。手術費用には術前検査から術後3年までの検診費用(ICL手術に関係のない目の病気の診察費用は含まれません)や、安心の3年間の長期保証まで含んでいます。さらに、患者さんには見えにくい部分ですが、安全な手術を行うために安全対策にも多額の費用もかけています。後悔しないために手術施設は慎重に選ばれた方がよいと思います。
ICL手術で生命保険や医療保険の給付は受けられますか?
  
A. 生命保険・医療保険でICLが手術給付金の対象になる場合がありますので、ご加入されている保険会社へお問合せください。その際に、「有水晶体眼内レンズ挿入術」を受ける予定と伝えてください。保険会社へ手術給付金の請求をする場合、診断書の作成に一通5,500円(税込)が必要になります。
ICL手術は医療費控除の対象ですか?
  
A. 対象です。手術代金の領収書を発行いたしますので、大切に保管し確定申告の際に、お住まいの地域の税務署にお問い合わせください。


術後のこと
     
どれくらい視力が回復しますか?
  
A. 詳しくは→
将来、白内障になり手術が必要になった場合はどうなりますか?
  
A. 白内障は目の中のレンズの役割をする水晶体が濁り見えにくくなる病気で、60歳代~70歳代で手術が必要になることが多いです。ICL手術を受けていても加齢に伴い白内障になります。白内障手術を行う場合は、まずICLを摘出して通常の白内障手術を行いますので、通常の白内障手術+3分くらいで手術できます。
将来、緑内障など近視以外の目の病気になった場合はどうなりますか?
  
A. 緑内障は40歳以上の5%以上で発症することが知られています。ICL手術を受けていても緑内障になったら通常通り目薬の治療などが必要になります。その他の目の病気になっても通常通りの治療を行います。
手術で失明することはありますか?
  
A. 失明する可能性のある合併症としては術後眼内炎があります。傷口から細菌が侵入する最も怖い合併症です。ICL手術での発生頻度は6000件に1件 (0.017%) と眼科手術の中でも非常に低い頻度で、適切な治療によって全例で視力低下はなかったと報告されています。当院で発生したことはありません。予防のため術後は指示通りの点眼をお願いします。
ICL手術のデメリットは?
  
A.詳しくは→
ICL手術すると老眼になりやすくなりますか?
  
A. 答えはNoです。人は目の中でレンズの役目をする水晶体が厚くなったり薄くなったりすることで、いろいろな距離にピントを合わせています (調節機能)。しかし、40歳頃から水晶体が硬くなり、調節機能が低下することが老眼です。ICLの手術の有無にかかわらず、老眼になる時期は変わらず、近くが見えにくくなったら老眼鏡で対処することになります。同年代で裸眼で良く見えている人と同じような状態になると考えていただくとよいと思います。
術後しばらくしてから再び視力が低下することはありますか?
  
A. 角膜を削るレーシック手術では角膜の創傷治癒 (キズの治り) の過程で近視が戻ることがありますが、ICL手術は長期的に視力が安定していることが報告されています。一般に大人になると近視は進行しないと言われていましたが、最近はスマホなどデジタルデバイスの普及によって大人でも長時間近くを見続け近視が進行する人がいることが分かっています。再び近視にならないように近くを見る時は20~30分に1回程度、目を休めるなど生活上の注意をしていただけたらと思います。
運転免許証の「眼鏡等使用」の条件は術後にどうすれば外せますか?
  
A. 見え方に慣れたら運転免許証の 『免許の資格等(眼鏡等)』 の限定条件解除の手続きを運転免許センターなどでしてください。更新のタイミングであれば、近視矯正手術を受けて裸眼であることを伝えることで、条件解除することができます。詳しくは免許センターにお問い合わせください。
レンズが眼の中に入っているような異物感を感じることはありますか?
  
A. ICLは薄く軟らかいレンズを目の中に移植するので、目の中で動いたりすることはありません。コンタクトレンズのように目の表面で動くことはないのでゴロゴロしたり異物感を感じることはありません。


術後の生活のこと
 
入浴、洗顔、洗髪はいつからできますか?
  
A. 手術翌日の診察で問題なければ、その後は可能です。
お化粧はいつからできますか?
  
A. 手術翌日の診察で問題なければ、その後は可能です。アイメイクは1週間以上経ってからお願いします。目を強くこすったり押したりしないで下さい。
アイメイクはいつからいいですか?
  
A. 術後1週間以上経ってからしてください。目を強くこすったり押したりしないで下さい。
サウナ、温泉、旅行はいつからできますか?
  
A. 術後1週間以上経過したら可能です。
車の運転はいつからできますか?
  
A. 手術翌日の診察で車の運転に必要な視力まで回復していたら、その後は可能です。
運動、スポーツはいつからいいですか?
  
A. 散歩、ジョギング、サイクリングなど軽い運動は手術翌日から可能です。激しい接触や目にボールが当たる可能性があるような球技等のスポーツは術後1か月間避けてください。
マッサージ、エステ、整体、整骨はいつからいいですか?
  
A. 翌日から大丈夫ですが、うつぶせ寝で目が圧迫される状態や眼球周辺のマッサージは術後1週間は避けて下さい。
まつげパーマ、まつげエクステ、二重瞼の手術はいつからいいですか?
  
A. 術後1か月以上経過したら施術可能です。
コンタクトレンズ(カラコン)はいつからいいですか?
  
A. 術後1か月以上経過したら装用可能です。
保護メガネはいつまで必要ですか?
  
A. 手術後から翌日の診察まで使用してください(寝ている時は外して大丈夫ですが、小さな子供と一緒で手や足が目に当たる可能性がある場合は寝ている時も使用してください)。
 翌日の診察後は使用しなくて結構ですが、ホコリの多い場所に行く場合や目に物がぶつかるような可能性がある場合は使用してください。
 保護メガネは無料で差し上げています。
手術後は眼帯をする必要がありますか?
  
A. 眼帯は不要です。手術後から翌日の診察まで保護メガネを使用していただきます(寝ている時は外して大丈夫ですが、小さな子供と一緒で手や足が目に当たる可能性がある場合は寝ている時も使用してください)。
術後に市販の目薬は使用してもいいですか?
  
A. 問題ありません。ただし、当院から処方する目薬も必ず指示通りに使用してください。
術後にMRI検査を受けてもいいですか?
  
A. 問題ありません。


その他
     
なぜ、院長はICL手術を受けてないのですか?
A. 院長は既に50歳を超えていて遠近両用眼鏡を使用しています。軽度の近視で、眼鏡を外すと近くは裸眼で見えるため、自宅で雑誌を読む時は裸眼で見ています。ICL手術を受けると今まで裸眼で見えていた近くが見えにくくなり、老眼鏡が必要になるため手術を受けていません。院長と同様に、老眼のでる年齢になっていて軽度近視で裸眼で近くが見える人にはICL手術はあまりお勧めしていません。
 副院長は40歳代前半でICL手術を受けました。乱視が強く裸眼では遠近とも見えてなかったのですが、遠近とも見えるようになり大きなメリットを感じています。そろそろ老眼鏡が必要になると思いますが、それでも近くを見る時の眼鏡だけで済むため満足しています。
ICL手術後の結果に、手術を執刀する医師の技量は関係しますか?
  
A. レーシックは、手術のほとんどをコンピューター管理されたレーザーが行うので、手術の結果に執刀医の技量はあまり関係しません。一方ICL手術は切開やレンズの挿入など執刀医が手で行う手術ですから、執刀医の技量により結果は大きく変わってきますので、後悔しない様に施設選びは慎重にされた方がよいと思います。
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※手術目的の方が多いため、待ち時間が長くなることもあります。

受付時間
午前8:30〜11:00 外来 外来 外来 外来 外来/手術 外来
午後1:30〜4:30 外来/手術 外来/手術 外来/手術 外来/手術 × ×

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