白内障とは?
白内障とは目の中でレンズの役割をする水晶体が濁り、光を十分に通さないために、かすみや視力低下を起こす病気です。見えにくい、見えづらい、かすんで見える、かすむ、ぼやける、白っぽく見える、視力が悪くなる、視力が低下する、などの症状が代表的です。
正常な目
水晶体は光をよく通します
白内障
水晶体が濁り、
光を十分に通さない状態
手術の時期の目安は、見えにくくなり日常生活に支障が出てきた時です。
具体的には、「テレビが見えにくい」「眼鏡をかけても本や新聞が読みにくい」「人の顔が見えにくい」「運転しにくい」「視力が低下して運転免許の更新ができない」などが一つの判断基準です。
最近は手術技術が進歩し、10~15分程度でリスクの少ない手術が可能になりました。
しかし、白内障が進行しすぎるまで放置すると手術が難しくなることがあります。特に進行した白内障で眼鏡を使用しても視力が0.1以下になったような場合は、以前のような大きな傷口で長時間の手術が必要になることもあります。白内障手術のタイミングについて迷う場合は、信頼できるお近くの眼科で手術時期について相談することをお勧めします。
白内障手術
1 切開します
約2mmの切開をします。
2 にごった水晶体を
砕いて吸いだします
濁った水晶体の中身を
超音波で吸引します。
3 眼内レンズを
挿入します
インジェクターという筒の中を通し
眼内レンズを移植します。
単焦点眼内レンズ(健康保険)
単焦点眼内レンズの見え方
遠くにピントを合わせた場合、遠くの風景やテレビはよく見えますが、近くのスマートフォンやコンピューターはぼやけます。老眼鏡などが必要です。
※近くにピントを合わせた場合は、手元は裸眼で見えますが、中間~遠方は眼鏡が必要になります。
手術費用:健康保険の適応
- 3割負担
- 片眼 約40,000円
高額療養費制度により、70歳以上の方は現在の保険割合に応じて手術月の一ヶ月の窓口支払い上限額が以下のようになります。
- 非課税世帯
- 8,000円
- 1割、2割負担
- 18,000円
- 3割負担
- 80,100円※~
※3割負担の方は年収により限度額が異なります。
詳しくはご加入の保険団体(市町村役場、社会保険等)へお問合せ下さい。
多焦点眼内レンズ(選定療養、自由診療)
多焦点眼内レンズの見え方
眼鏡なしで、遠くの風景やテレビ、近くのスマートフォンやコンピューターにピントが合います。
手術費用:選定療養の適応
多焦点 眼内レンズ |
テクニスマルチ | ||
---|---|---|---|
乱視なし | 片眼:220,000円
(税込) |
両眼:440,000円
(税込) |
|
乱視あり | 片眼:275,000円
(税込) |
両眼:550,000円
(税込) |
|
※左記の健康保険の白内障手術費用に加え、上記の選定療養の自己負担額(多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの差額と多焦点眼内レンズの手術に必要な検査費用)が必要になります。 |
多焦点 眼内レンズ |
パンオプティクス テクニスシナジー ファインビジョン(乱視なし) |
||
---|---|---|---|
乱視なし | 片眼:330,000円
(税込) |
両眼:660,000円
(税込) |
|
乱視あり | 片眼:385,000円
(税込) |
両眼:770,000円
(税込) |
|
※左記の健康保険の白内障手術費用に加え、上記の選定療養の自己負担額(多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの差額と多焦点眼内レンズの手術に必要な検査費用)が必要になります。 |
手術費用:自由診療の適応
国内未承認 多焦点 眼内レンズ |
レンティスMプラス ファインビジョン レイワン アクリバ・トリノバ アルサフィット ミニウエル インテンシティ |
||
---|---|---|---|
乱視なし | 片眼:550,000円
(税込) |
両眼:1,100,000円
(税込) |
|
乱視あり | 片眼:630,000円
(税込) |
両眼:1,260,000円
(税込) |
|
※上記金額には、白内障手術の技術料、術後1年目までの診察費用も含んでいます。 |
健康保険の新しい選択肢 レンティスコンフォート
レンティスコンフォートは上半分が遠方用、下半分が100cmの所にピントの合う中間用の単焦点眼内レンズを組み合わせた眼内レンズです。ピントが合う距離が100cmのため70~80cmくらいがピントが合う限界で、多くの方は老眼鏡が必要になると思われ、単焦点と同じ健康保険の対象です。 目に入る光の58%を遠方に、35%を100㎝の中間距離に分けます(残りの7%は光の損失、瞳孔径3mmの時)。遠方用と中間用のレンズの境目のため、物がダブって見えるゴースト現象を感じる可能性があります。夜間運転時の光の乱反射(グレア、ハロー)を単焦点より強く感じます。 |
眼科こがクリニックの白内障手術が選ばれる理由
地元の眼科からの紹介状のある方は
手術早期から紹介元にお戻り頂くことも可能です。
もちろん、紹介状のない方も診察、手術いたします。
■で示した地域から
手術目的で来院されています
県内初 イメージガイドシステムVERION【ベリオン】をすべての白内障手術で使用
手術前に目の高解像度のデジタル画像写真を撮影し、患者それぞれの白目の血管の特徴を解析し、記録します。
このデータを用いて、術前に計画した切開の位置、眼内レンズの固定位置、乱視軸などを、手術中に手術顕微鏡の画面に表示する機械です。わかりやすく言うと、今までは術者の経験による判断だけで行っていた手術が、手術前に立てた計画、つまりコンピューター管理された設計図通りの手術が可能になるという革命的な手術機械です。当院では、2015年にこの機械を県内で初めて導入し、すべての白内障手術で用いています。
イメージガイドシステムVERION 術前に目の写真を撮り白目の血管の特徴を解析
従来の白内障手術 イメージガイドを用いた精密な手術
県内初 アクティブセントリー(米国アルコン社製)をすべての白内障手術で使用
眼の中の圧力(眼内圧)の変動が眼内の容積の変動を起こします。眼内圧が急激に上昇すると眼内の容積が大きくなり痛みの原因となります。逆に眼内圧が急激に下がると眼内が不安定になり破嚢という合併症の原因になります。2020年に当院では白内障手術機械に圧力センサーを内蔵し眼内圧の変動を少なくしたアクティブセントリーを県内で初めて導入し、すべての白内障手術に使用しています。
白内障手術の実績
合計10,910件
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の実績
合計2,061件
(2024年9月末集計)
年間約1,000件の白内障手術を行っています
全職員への教育
「すべての職員が医師と同じレベルで説明できるようになる」ことを目標に、日頃から検討会や勉強会を行っています。不安なこと、聞きたいことがあれば、何でも職員に相談してください。
白内障手術までのスケジュール
●検査、診察の結果、白内障手術の適応の方に病状を説明します。
●手術を希望される方には、片目ずつ日帰りで手術を予定します。
●手術に必要な様々な検査を行います。
●1時間~1時間半くらいかかります。
●手術の内容、術後の見え方などについて詳しく説明します。 ご家族もご一緒にお願いします。
●手術前、手術当日の注意点について説明をします。
●指定の時間にご来院下さい。
※手術後は保護眼鏡をします。
車の運転をして帰宅することは出来ませんので
ご注意ください
●散瞳剤の目薬など手術の準備をします。
(40分~60分くらいかかります)
●手術は10~15分程度です。
終了後、帰宅になります。
※手術当日は来院から帰宅まで、
1時間半~2時間くらいかかります。
●自宅でゆっくりお過ごし下さい。
(通常の家事や、テレビを見たり、読書したりしても大丈夫です)
●保護眼鏡をしますので注意してください。
●入浴、洗顔、飲酒はしないで下さい。
白内障手術後の生活
●手術翌日の受診時まで保護眼鏡を使用していただきます。
●術後1ヶ月目までは定期的な診察が必要です。
●目薬は術後1ヶ月間くらい、使用していただきます。
手術翌日から可能
入浴(首から下)
飲酒
家事
事務
散歩・体操
歯科治療や内科検査
マッサージ
運転※
※見え方に十分慣れてから始めてください
※視力0.7以上が必要
2日目から可能
洗髪
洗顔
化粧
温泉・サウナ等
7日目から可能
運動(水泳含む※)
※水泳はゴーグル使用
力仕事
整体・リハビリ
毛染め・パーマ
眼鏡作成※
※スタッフへ相談
白内障手術のよくある質問
- 遠方なのですが入院は出来ますか?
- A. 当院には入院施設はありません。遠方の方には近隣のホテルの一覧表をお渡ししています。
- 常用している内服薬は?抗凝固剤(血液サラサラの薬)を内服中ですが手術できますか?
- A. 常用している内服薬は手術前後もいつも通り内服してください。当院では出血の少ない2㎜程度の小さな切開で手術を行っています。
抗凝固剤も継続のまま手術できます。 - 手術は痛いですか?
- A. 麻酔の目薬で、基本的に痛みはありません。しかし、消毒する時にしみる感じや、目の周りを触られている感じはあります。以前は目に圧力がかかるときに押されるような重い痛みを感じることがありましたが、当院では最新の超音波白内障機械を使用していますのでほぼ改善されました(詳しくはこちら)。また、手術に対する不安感の強い方には抗不安薬の内服または低濃度笑気麻酔を併用することも出来ます。
- 手術の時間はどのくらいかかりますか?
- A. 通常は10分~15分くらいです。目の状態によっては長くかかることもあります。
- 飛蚊症は治りますか?
- A. 飛蚊症は白内障の原因である水晶体の奥にある硝子体の濁りです。白内障手術は水晶体の濁りの治療で、飛蚊症の改善効果はありません。
飛蚊症の原因の多くは加齢によるもので視力に関係しないことがほとんどです。病的な飛蚊症の場合は原因に応じた治療を行います。 - 多焦点眼内レンズとは何ですか?
- A. 従来の健康保険適応の単焦点眼内レンズはピントが合う距離が1か所のため遠方にピントを合わせると近方用の眼鏡(老眼鏡)、近方にピントを合わせると遠方用の眼鏡が必要です。多焦点眼内レンズは遠くも近くもピントが合うようになります。 多焦点眼内レンズについて詳しく
- 手術中に瞬きしないか心配なのですが?
- A. 手術中はまぶたを開いた状態に保つ開瞼器を使って手術するため、心配しなくて大丈夫です。麻酔の目薬を点眼した後に開瞼器をかけるため開瞼器の痛みもありません。
- 手術当日の帰宅後はどう過ごせばいいですか?
- A. 基本的には自宅でお過ごしください。飲酒、入浴はしないで下さい。
それ以外は家の中で普段通り生活されて結構です(家事も普段通り可能です)。 - 手術後の通院は?
- A. 手術の翌日、2日目の2日間は通院して頂きます。その後は術後1週目、1ヶ月目に通院して頂きます。 手術後の通院について詳しく
- 仕事はいつから出来ますか?
- A. 事務仕事なら翌日の診察後から出来ます。翌日から出勤される方は朝一番(8時30分)の診察を予約しますので、早めにお申し付けください。
手術翌日はいくつか検査がありますので8時30分予約でも9時30分前後までかかります。
術後2日目は8時30分の予約なら9時くらいに終了します。可能なら、事務仕事でも手術日~術後2日目までの3日間は休むのが理想的です。
肉体労働やホコリの多い場所での仕事は手術1週間後から可能です。 - 視力はどのくらい戻りますか?
- A. 視力回復は個人によって異なります。網膜、視神経や脳などの白内障以外の病気があると視力が出にくいことがあります。
しかし、白内障があると目の奥が見えにくいため、網膜や視神経の病気を術前に発見できないこともあります。 - 入浴、洗顔、洗髪はいつから出来ますか?
- A. 翌日から首から下までなら入浴やシャワーは可能です。術後2日目の夜から通常通りに、洗顔、洗髪、入浴できます。
- スポーツはいつから出来ますか?
- A. 散歩やサイクリング程度なら手術翌日から可能です。スポーツ(ゴルフ、テニスなど)は1週間後から可能です。
水泳もゴーグル使用で1週間後から可能です。 - 車やバイクの運転はいつから出来ますか?
- A. 視力が0.7以上出ていれば翌日から法律的には可能です。見え方が術前と変わりますので、見え方に十分に慣れてから行ってください。
- 歯科治療、マッサージ、整骨院、リハビリはいつから出来ますか?
- A. 歯科治療やマッサージは手術翌日から可能です。整体やリハビリなど力の入ることは1週間以上たってから行ってください。
- コンタクトレンズはいつから使用できますか?
- A. 手術後1か月以上たってから使用してください。
- 術後に眼帯は必要ですか?
- A. 手術後から翌朝の診察まで保護眼鏡が必要です。それ以降は、眼帯も保護眼鏡も不要です。
- 術後しばらくすると再び見えにくくなりますか?
- A. 手術の際に残す水晶体の外側の薄い膜が術後に濁ることがあります(後発白内障)。この場合は、レーザーの治療で治ります。
外来で痛みもなく数分で治療できます。また、緑内障や加齢黄斑変性症などの白内障以外の病気が起こり、見えにくくなる可能性はあります。
その際は必要な治療を行います。